07 20 2010

プロフェッショナル

dscn2233.JPG今年の3番目のメジャートーナメントである全英オープンが終わり、南アフリカのウーストハイゼンという全く無名の選手が、2位に7ストロークの大差で優勝しました。大会3日目ぐらいに初めて彼のスウィングを見たのですが、全く作ったところのない躍動感あふれる、素晴らしいスウィングをしていました。南アフリカの選手のスウィングを頭に浮かべると、エルス、グーセン、イメルマンなど全ての選手に共通しているのは、作られたところがない「自然」な動きです。きっと、素晴らしい指導者が、南アフリカにはいるのでしょう。

最近のゴルフトーナメントで、興味深い試合がいくつかありました。1ヶ月ほど前に、アメリカのトーナメントでシニア入りしたコーリー・ペイビン選手が、レギュラーツアーでプレーオフに残り、最終的にはプレーオフで負けて2位だったのですが、ツアーの中で一番飛距離の出ない選手が、プレーオフまで残るという痛快なゴルフを見せてくれました。

パットをミスしても、怒りを表すようなポーズをとらないし、素晴らしいショットでピンそばにつけて、ギャラリーからの大きな拍手にも、軽く右手を上げて応えるだけです。「自分ができることを、やり続けるしかないんだ」という心境なのでしょうか、昔以上に淡々とゴルフをしているような感じを受けました。彼のプレー振りを見ていると、これぞプロフェッショナルと唸らされます。

7月の上旬にあった女子プロのトーナメントで、不動裕理選手が、最終ホールで長いバーディーパットを入れて優勝しました。彼女にしては珍しく、パットが入った瞬間に、右コブシを頭の上に突き上げていました。あとから、優勝インタビューの時、「変なことをした」と言って、少し照れていましたが、思いがけなくパットが入ってしまった、と言う部分が少しあったのかもしれません。リプレーでみると、かなりのスライスラインでしたので、「3パットにならないように」という思いは、当然あったはずです。

写真は、日本女子プロ協会のメンバーガイドで、表紙にのる人は前年度の賞金王です。しばらくの間、表紙はいつも不動選手でした。この前のトーナメントで、「私なんかを、こんなに大勢の人が応援してくれている」といって、少し涙ぐんでいるように私には見えましたが、彼女の最大の魅力は『謙虚さ』でしょう。彼女の自分の気持ちを表す言葉は、聞いていてすがすがしい気持ちになります。今年は、是非賞金王になってもらいたいです。

07 01 2010

ぶれる!?

dscn2184.JPGここで云う「ぶれる」とは、ショットがぶれることではなく、やっていることが『ぶれる』ことを言っています。

こちらから聞いているわけでもないのに、「スウィングのここが悪い』とか「あそこがダメだ」といってくる人がいます。自分のゴルフの調子が悪いと、何となく耳を傾けたくなる時があります。的を得たアドバイスならありがたいのですが、間違ったアドバイスをもらったら、結果は良くなることはありません。DVDや本を買って、そこで云われているスウィングを練習してみます。ところが思ったような結果がでなくて、「やはり、これは自分には合わない」と判断して、違うDVDや本を買って再び『研究』に取り組みます。ところが、今度もまた結果が思わしくない、このような経験をした人は、自分も含めて、周りに大勢いるのではないでしょうか?

これをずっーと繰り返していくと、少し調子が悪くなると、「今と違うやり方を試そう」という気持ちが起きてきて、昨日までやってきたこと違うことをやり始めます。そして、やがてそれが「習慣」のようになって、当たりが悪くなると次の方法、そしてまた次の方法と、それが際限なく続いていくのです。これが、スランプを長期化させる原因となります。半年や1年という期間ではなく、数年や10年以上同じ状態が続くのです。

そういう状態にいる人は、しばしば「分かった」「やっと分かった」という言葉を時々口にすることがあります。分かったのであれば、その練習を続ければよいのに、人間であるから調子の悪い時もあるのが普通なのですが、調子が悪くなると違う方法を始めるという『癖』が身についてしまっているため、何の抵抗もなく、『分かった』はずの方法を捨ててしまいます。そうすることによって、不調(それが今の実力かもしれませんが)がずっ-と続いていきます。

私の野球部に所属していた下の息子が、2年生の秋のとき、やる気をなくしているのが感じられたので、何が上手くいかないのか話を聞いて、それから上手くなるために練習をしよう、ということで2人で始めました。バッティングでは、インパクト直後に両腕を伸ばすように、ということと、最後までしっかり振り切る、この2つを教わって、それを実行しているので、ボールに上手く当たらないし、またボールに当たったとしても、遠くに飛ばない状態になっていました。

最初に、腕を伸ばしてはいけないことと、振り切ったらいけないことを、理屈で説明して、それから打てるためのバッティングフォームにするための練習を始めました。結果から云えば、やってきたことは正しく、3年生の5月ぐらいからかなり打てるようになりました。以前は、かするのが精一杯だったバッティングセンターの速球も、殆どのボールをセンター方面へライナーを連発するというまで変わりました。

練習を続けていく中で、バットの芯にボールが当たらない日が続くことがありました。息子としては、この練習でいいのだろうかと思うし、私としても、いつになったら芯に当たるようになるんだろう、という不安がありましたが、私がここで『ぶれる』ことをすれば、絶対成功しないことは感じていましたので、同じ練習ですが、少し変化をつけて練習を繰り返していきました。

まず最初に何が正しい練習かを知ることは、意外と難しいことですが、もしそれが分かったら『ぶれず』に続ける、これしか上達する道はないのでしょう。

06 17 2010

元通り!?

dscn2172.JPG写真は、市販されているクラブですが、これより軽いクラブをまずないでしょう。総重量が247.5gです。シャフトだけではなく、ヘッドもグリップも本当に軽いものを使っています。このような軽いクラブを使えば、もっと飛ぶだろうなと考えるコルファーは多くいると思います。でも、本当に飛距離が伸びるのでしょうか?

昔、あるゴルフ雑誌のなかで連載をしていたとき、重いクラブを振って練習をしたら、どのような変化が起きるかを紹介するために、2人の人に協力してもらって実験をしました。この話は、以前この「四方山」で紹介したものですが、今回は少し違った角度で進めて見たいと思います。2本のドライバーを用意しました。1本はカーボンシャフトのドライバーで、総重量は約300g、もう1本はスチールシャフトのドライバーで、総重量は約370gです。

それぞれのクラブで30球ドライバーでボールを打ってもらいます。そして、ヘッドスピードを測りながら、その後7球ボールを打ってもらい、一番速いヘットスピード と一番遅いものを削除し、平均のヘッドスピードを算出すると、軽いカーボンシャフトのドライバーで30球打ったときより、重いスチールシャフトのドライバーで30球打った後のほうが、ヘッドスピード上がります。今まで10ぐらいの人で実験しましたが、ほぼ同じ結果が出ます。

重いドライバーで30球打ったから、筋力がアップした、と考えることは不自然です。重いクラブを振るために、腕の力ではなく、下半身を中心とした、より大きな筋肉を使おうと、体が勝手に変わったのでしょう。ここで注目したいのは、30球打っただけで、身体の使い方が変わったということです。今まで、総重量320gのクラブを使っていた人が、軽量クラブである総重量280gのクラブに替えたら、おそらく10~20ヤードの飛距離アップが望めると思います。ところが、その飛距離アップがいつまで続くかということです。上で述べたことからすれば、「あっという間」かもしれません。

昔、クラブの重量を軽くしたお客様に、「追跡調査」を何度かしたことがあります。ラウンド回数の多い人であれば、1ヵ月後に「あのクラブ、よく飛んでいますか?」と聞くと、スッキリとした答えは、まず返ってきません。クラブを換えた瞬間の飛距離は、せいぜい2ランウドか、3ラウンドもてばいいほうかもしれません。徳川家康が言うように、「人の一生は、重き荷を背負い、遠き道を行くが如し』かもしれません。厳しい話です。