2004.8月の記事

08 28 2004

私の経歴 4

前回に引き続き、ヒューストンオープンでの体験を、そして感じたことを述べてみましょう。

パッティングの練習グリーンは、一面しかなかったのですが、日本のトーナメントと違って、とにかく大勢のプレーヤーがそこで練習していました。本当に混雑している、という印象を受けるぐらいでした。練習グリーンの周辺にあるカラーのような部分から、チップショットをしている選手などは、前の人のスパイクの踵のすぐそばにボールを置いて練習をしていますし、また、自分の打ったボールが、他のプレーヤーの脚に当たっても、ボールを打ったほうも、また、当てられたほうも、お互いに目を合わせて、ニコッと微笑むだけで、すぐに真剣な表情に戻って練習していました。「必死」で練習している、ただそれだけです。

ドライビングレンジを見ると、やはり大勢のプレーヤーがボールを打っています。日本のトーナメントも、アメリカのトーナメントも、参加選手の数は殆ど変わらないはずなので、アメリカでは多くの選手が帰らないで、練習を続けているということなのでしょう。

次に、日本のトーナメントでは、プロアマ競技が、トーナメント初日の前日にあります。ところが、ヒューストンオープンでは、プロアマ競技が1週間の間に3回あります。月曜日、水曜日、土曜日の3回です。月曜日と、水曜日のプロアマ競技は、トーナメントが開催されるコースで、そして、土曜日のプロアマ競技は、近くのコースで開催されます。なぜ3回もプロアマ競技が行われるかと言えば、予選に落ちた選手のためなのでしょう。

前回お話したように、アメリカのツアーは、数試合を同じ地域で行い、また、違う地域で数試合行われて、全米を転戦していきます。もし、仮に予選に落ちた選手が、次の試合も同じ地域であれば、家に帰らず次のトーナメントコースに向かったほうが、経済的にも、時間的にも好都合であるかもしれません。月曜日と土曜日に行われるプロアマ競技は、そのような選手のためにあると思います。予選落ちすれば、当然賞金は稼げなく、次の試合までホテル代など滞在費が要るわけですから、その選手たちの収入になるように、プロアマ競技が1週間に3回も行われるのでしょう。日本のトーナメントは、もっと積極的によい面を取り入れなければ、衰退の道を辿らざるをえないかもしれません。

No,0011

08 18 2004

私の経歴 3

2002年3月に、アメリカ、テキサス州で行われたヒューストンオープンを訪れたときのことを、数回にわたって述べてみます。

最初に、ヒューストンまで行った理由は、弊社のスライダーをアメリカのツアープロに打ってもらいたかったからです。マーク・ブルックスを始め、3人のプロに打ってもらい、まあまあの評価をもらってきました。スライダーは、今後ともアメリカやオーストラリアのツアープロに提供するつもりです。

まず、アメリカツアーの環境についてですが、選手たちの健康をチェックするヘルスケアの話から始めましょう。後日、写真を載せる予定ですが、大きなトレーラーハウスが、月曜日の夕方コースに到着して、日曜日の午前中までコースの中に滞在しています。ちょうど私がトレーラーの中を見せてもらったとき、デビット・デュバル選手をはじめ選手が3,4人、大会関係者のような人が2,3人、ドクターの指導の下、ストレッチやエクササイズをやっていました。僕が少し驚いたのは、選手だけでなく、選手以外の人がそこを利用していることでした。

次に、ドライビングレンジについてです。やはりアメリカですので、広大な練習場ですが、そこを利用できる時間が、日本に比べたらかなり長くなっています。1日の利用時間も長いし、また、土曜日や日曜日にでも、決勝ラウンドに進出した選手がティーオフしたあとは、練習場が利用できます。どのような人が利用するかといえば、予選通過できなかった選手などです。アメリカツアーは、1月の最初の数試合はハワイで行い、それから、西海岸で2,3試合、そしてフロリダに移って2,3試合、そしてテキサスで数試合といった具合で行われます。ですから、もし予選落ちした場合、自分の家に帰るよりも、次の試合が近くであれば、そこに残ったほうが、経済的にも、時間的にも都合のよい場合があるでしょう。選手たちに、よい練習環境を与える、これがツアーの発展につながると言う考えが、徹底されています。

アマチュアでは、とても打てないようなショットを随所に見せ、エキサイティングなゲームを続けることによって、テレビを見る人が増え、また、コースに足を運ぶ人が増える、それで、ツアーが盛んになっていくのでしょう。タイガー・ウッズがプロに転向したとき、カーティス・ストレンジと対談をしていましたが、ストレンジ選手がウッズに向かって、「君も今日からツアーのAsset(資産)の一人なんだから」と言っていました。非常に興味深い言葉でした。

選手が素晴らしいプレーを見せて、ファンを増やしていく、これがプロスポーツを発展させる、唯一の方法なのでしょう。だから、選手が育って行く環境を、徹底的に整えることに腐心しているのでしょう。「たかが選手」と発言している野球関係者の人は、プロスポーツの本質を理解していないのではないかと、私は思っております。

No,0010

08 10 2004

私の経歴 2

トーナメントでの体験談を、思いつくままに述べてみましょう。

トーナメントプロに、アプローチウェッジやサンドウェッジを提供してましたが、平成8年から9年当時は、ブリジストンのJ’sのウェッジが流行しており、プロもアマも多くの人が使っていました。J’sのウェッジの特徴は、ソール幅が広く、ダブルソールで、後方のソールのバウンス角は、かなりフラットになっていました。

当時流行していたので、女子プロの多くも、J’sタイプのウェッジをこちらに要求して来ました。確か神戸周辺のトーナメントだったと思いますが、そのコースの砂は非常にやわらかいもので、ピンまでの距離が近いバンカーショットでは、ヘッドが砂に潜ってしまうと、弊社のウェッジを使用している女子プロの数人から相談がありました。その当時では、私もすぐに答えれなかったので、会社に戻る高速道路を運転しながら思考錯誤していました。

そこで考え付いたのが、空気中を物体が移動するとき、速度が2倍になれば、抵抗は4倍になるということでした。男子プロと女子プロでは、当然ヘッドスピードは違いますので、クラブヘッドが受ける砂の抵抗もかなり違うのではないかと打つことです。それで、ダブルソールではなく、ノーマルのソールで、バウンス角を大き目のサンドウェッジを作り、トーナメントの練習ラウンドで試してもらったら、ヘッドは砂に潜らなくなり、またスピンもよくかかるようになりました。

私のところでは、当然ゴルフロボットのようなものはないので、クラブの性能を試したいときは、よくトーナメントにクラブを持っていき、プロに打ってもらいました。その中でも、森口祐子さんは、ショットの正確さは抜群でした。ドライバーで、スウィートスポットの位置をわずかに変えてあるクラブを試打してもらったとき、スウィートスポットの低い方のドライバーを指して、「このクラブは、ボールが少しドロップするね」と言いました。これには、私も驚きました。スウィートスポットの違いは、1mmぐらいの差しかないのですから。あと、何人かの女子プロに打ってもらいましたが、「そんなに差はないのでは」と言う答えが大半でした。

No,0009