2005.1月の記事

01 30 2005

調子の悪いときにクラブをかえるのは……..

写真ゴルフの調子が悪くなると、頻繁にクラブを替える人をよく見かけます。特に多いのが、ドライバーとパターです。試打用のドライバーを打ってみたら、まっすぐ飛んでいったので、買いました、ということなのですが、これは私どものようにクラブを売っている側からすれば、まことにありがたい話なのです。

視点を変えて、ゴルフのスウィングから考えてみましょう。では、今まで使っていたクラブは、使い始めた当初から調子が悪かったのかといえば、おそらく使い始めた当初は、よく飛んで気に入っていたのではないでしょうか。最初は、まっすぐ飛んでいたのに、今はひどくスライスする、このクラブはだめだ、私にあっていない、という言葉がゴルファーの口から出てきます。使用していくうちに、クラブの性能がだんだん落ちてきた、ということは絶対にありえないことですね。つまり、自分が変わっただけのことです。自分のスウィングが、スライスの出やすいスウィングになったのです。

調子が悪いからクラブを替える、これを繰り返していくと、自分がどんなうち方をしているのか、まったくわからなくなります。何をやっても、まったくだめ、という状態です。現在は、ライ角のアップライトのものなど、いろいろな種類のクラブがありますので、今の自分のスウィングに合ったクラブを見つけることは可能でしょう。しかし、クラブは変化しませんが、スウィングは刻々と変わっていきます。スライスしなかったクラブも、やがてはスライスが出るようになるでしょう。もっと、大きなスライスの出るスウィングに変わったのです。

飛んでいくボールで、自分の調子を判断していては、安定したゴルフは出来ないでしょう。自分の「動き」(スウィングのことです)を敏感に感じるように、常日頃からその意識を持つことと、基準となるクラブを決めておくことです。調子が悪くなったら、クラブではなくスウィングに目を向けてください。

次にパッティングですが、多くの人は2本以上パターを持っているのではないでしょうか。パターを替えるときに、「ちょっと気分転換で」という理由でパターを換えます。この「気分転換」とは、どんな意味が含まれているかといえば、「このパターでは入らない」ということです。よく入るのであれば、替える必要はまったくありませんから。

結局、パターを換えても、しばらくすると、また入らなくなります。パターが入らないのは、自分の「動き」(ストローク)に原因があるのですから。最後に、杉原輝雄プロや、青木功プロは、長い間同じパターを使うプロとして有名ですが、彼らはパッティングの名手です。

*写真のL字型のパターは、私の使っているパターで、もう15年ぐらい使っています。このパターで、イップスを克服したので思い出があります。いずれ、イップスを克服した体験談をご紹介するつもりです。

No,0026

01 21 2005

タイガー・ウッズについて2**後編の続きの続き

今回で、ひとまずタイガーの話題は終わりにします。前回もお話したように、初めてタイガーのゴルフをテレビで見たときや、スウィングの連続写真を見たときに受けた、私の衝撃は相当に大きなものでした。ボールを遠くに飛ばすための、まさに理想をタイガーが実践しているのですから。

あと2つ、私が気になっていることを説明します。1つ目は、アイアンショットでのフィニッシュがデビュー当時より大きくなっていることです。つまり、両腕が首に巻きつくようなフィニッシュになっていることです。例えば、丸山茂樹選手のアイアンのフィニッシュを思い浮かべてください。両腕が、頭の後ろや、背中の方まで動いているでしょか?そこまで動いてなく、顔の横の辺りで両手が止まっているはずです。デビュー当時のタイガーは、そのようなフィニッシュをしていましたが、今はミドルアイアンぐらいを持つと、両腕が首の後ろぐらいまでくることがあります。

大きなフィニッシュをとったらいけないのかと思う方は、大勢いると思いますが、フィニッシュは結果であり、インパクトでクラブに発生している大きなエネルギーが、クラブをフォロースルーからフィニッシュのほうに運んでくれるのです。デビュー当時のタイガーのドライバーショットを見ると、フィニッシュでの両腕は、首に巻きつくようになっていました。ドライバーに比較するとアイアンでのインパクトのエネルギー(おおまかにスピードと考えていいです)は小さいですから、ドライバーショットほどの大きなフィニッシュにならないのが自然です。

現在のタイガーのスウィング全体を見ても、上半身特に腕に頼ったスウィングに見えます。それに対して、丸山選手の動きは、下半身主導で、上半身は非常にリラックスして見えます。上半身に頼ったスウィングになると、飛距離は落ち、方向性も悪くなります。腕を意識的に振ると、その方向と反対の方へ下半身は動きますので、大きなパワーロスが生まれます。回転いすなどに乗った状態で、バックスウィングのほうへ肩を回したり、フォロースルーのほうへ腕を振ってみてください。自分の両膝は、反対方向へ動くのが確認できます。

もう1つは、今のことと関連していますが、動きにしなやかさが感じられません。タイガーのテークバックを見ると、下半身を止めて、上半身でテークバックしようとしています。この、下半身を止めようとする動きが、筋肉の緊張を生み出し、筋肉を固くします。筋肉を固くすれば、筋肉はすばやく動くことができませんので、スピードの低下につながります。ボクサーが、シャドウボクシングをするとき、両手は拳を握らなく、手を開いた状態でパンチを打つ動作をするのは、筋肉を柔らかくするためです。拳をしっかり握ってしまえば、筋肉は固くなり、スピードは落ち、相手にパンチが見えたら、よけられてしまいますから。

No,0025

01 13 2005

タイガー・ウッズについて2**後編の続き

皆様、あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いします。

タイガーについての話は、2回で終われませんでしたので 、本年最初の四方山話も彼に関した話題となります。

宮崎のトーナメントでは、私の予想が外れてタイガーは優勝しましたが、彼のプレーぶりを見て、非常にがっかりしました。まず第1に、彼が使用していたドライバーです。雑誌によれば、ヘッドの体積は460ccで、クラブの長さは45.25インチだそうです。タイガー自身が、ツアーで戦っていて自分の飛距離不足を十分に感じているから、飛距離を伸ばすために43.5インチから45.25インチとクラブを長くして、また、クラブを長くしたら正確にスウィートスポットで打つ自信のなさから、460ccという大型ヘッドにしたのでしょう。デビューした当時は、彼のスプーンのティーショットは、デービス・ラブのドライバーショットをオーバードライブしていましたし、普通の選手より50ヤード以上もドライバーを飛ばしていました。今回の宮崎でのタイガーの飛距離は、ずば抜けたものとは私の目には映りませんでした。

この長尺、大型ヘッドへの変更は、成長へのステップではなく、競技者として「退化」への道を辿る危険性があると思います。理由を次に述べます。

1980年代半ばから、1990年代半ばまで、メジャートーナメントの優勝者は、アメリカの選手より、アメリカ以外の選手が多かったように記憶しています。1980年代半ばごろには、アメリカツアーの支配的な考えの1つに、「簡単なクラブでシンプルなスウィングをして、コースを単純に攻める」というのがありました。スライスやフックをうたないで、できる限りストレートボールで攻める、というものです。これによってアメリカの選手の技術が衰退して、ヨーロッパを中心とした選手たちが、メジャートーナメントで活躍したのだと思います。聞くところによれば、ヨーロッパツアーは、毎週国が変わることなどにより、コースコンディションが変わるので、それに適応するために、バラエティーに富んだショットを身につける必要があるのでしょう。それが、「ゴルフの実力」をアップさせるのです。

1996年の全米アマチュア選手権でのタイガーを見たときの衝撃は、とてつもなく大きなものでした。300ヤードをはるかに超えるドライバーの飛距離よりも、ピンの位置によってスライスやフックを打ち分け、そして、小ぶりのフラットバックのアイアンでパンチショットを打つ姿に、もの凄い能力を感じました。なお、そのときに使っていたドライバーは、ステンレス製の200ccほどの大きさのものでした。

プロの大工さんが釘を打つとき、小さな釘は小さめの金槌で、大きな釘は大きめの金槌で打つのと同じで、ボールの大きさが1.68インチで変わらないので、大型ヘッドの使用は、技術の低下を招く恐れがあると考えています。次回も、もう1度タイガーです。

No,0024