2005.4月の記事

04 30 2005

ゴルフ寿命

写真:アイアン写真は、長く使っている私の1番アイアンですが、最近は殆ど使用していません。久しぶりに打ってみたのですが、何とか打てますが、ロフトのなさに少し圧倒されます。よくこんなのを、フェアウェイから打っていたんだなぁ、と自分でも感心しました。

以前にこのコーナーで、アマチュアはクラブの規制など必要でなく、どんどん飛ぶクラブを使えばいいと書きましたが、今回は、正反対の内容に感じるかもしれません。

簡単に打てるクラブを使うと、ボールを打つ「力」が低下しやすくなるということです。ロングアイアンをバッグから抜いて、7番、9番、11番ウッドを使い始めると、「ボールが楽にあがって、簡単だよ」という会話が聞こえますが、これは、ヘッドスピードの低下と、「すくい打ち」を助長させる可能性が大だといえます。3番アイアンを練習していれば、5番アイアンは簡単に打てるでしょう。しかし、アイアンは5番からで、それ以上の距離はウッドで狙っていると、やがて5番アイアンも打てなくなるかもしれません。

去年、テレビでジャック・ニクラウスを見ていたら、普通の2番アイアンを使ってグリーンを捉えていました。ニクラウスの年齢は、おそらく60歳代半ばだと思いますが、200ヤード以上の距離を打っていました。私は、その光景に驚かされたのですが、その年齢から考えた飛距離ではなく、ロングアイアンを使い続ける「姿勢」に、ニクラウスの強い「意志」に圧倒されたのでしょう。

「ゴルフ寿命」という言葉が正しいかどうかわかりませんが、加齢にもかかわらず、ある程度の距離を維持するのは、まさにその人の「気持ちの持ち方」に、大きくかかわるのだと思います。このクラブを絶対に打ちこなしてやるんだという、強い気持ちが飛距離を維持したり、また、スコアを維持するのでしょう。

私の父親は、78歳で他界しましたが、確か71歳の時に日本クランドシニア選手権に優勝し、また、中部地区でいろいろな試合に優勝した経験を持ちますが、父親がいなくなって初めて気がついたことの1つに、「私は年だから」とか「年を取ったから駄目なんだ」というようなことを、口にしたことがありませんでした。やはり、何度も試合に勝つことが出来たのは、自分の気持ちの中で「これだけはしていけない」などという基準をしっかりと持っていたのでしょう。ゴルフ寿命を長くするために、たとえば「このアイアンだけは絶対に打ちこなす」という基準を、自分の中に持っていた方が良いのではないでしょうか。

No,0035

04 20 2005

道具の規制について

写真:ドライバーヘッドの比較まず、写真を見ていただきたい。黒色の大きなヘッドは、私が今使っている400ccのドライバーで、上のクラブは、1980年代後半に流行ったメタルヘッドのドライバーで、ヘッド体積は大きく200ccを下回っています。

もし、同じぐらいの技量を持つ2人のプロゴルファーが、1人は400ccのドライバーを使用し、もう1人が写真の小さなドライバーを使ってラウンドしたら、どんな結果が出るでしょうか。二人ともゴルフの調子が良かったら、2人の間に大きなストローク差はあらわれないと思います。せいぜい、1.2ストロークぐらいでしょう。しかし、2人ともゴルフの調子があまりよくない時に、そして、コースセッティングの難しい(距離が長くて、フェアウェイの幅が狭い)コースでラウンドしたとすると、結構な差が出るのではないでしょうか。調子が悪い時は、スウィートスポットからはずれてショットすることが多いはずです。小さなメタルヘッドで、スウィートスポットをはずすと距離が大きく落ちて、またボールの曲がりも大きいでしょう。

逆に大きなヘッドの場合は、同じようにスウィートスポットから外れても、飛距離のロスや方向性も、小さなメタルヘッドほどは悪くならないでしょう。調子の悪い時ほど、大きなヘッドの恩恵を受けることになり、スコアが悪くなるのを道具がある程度防いでくれます。すなわち、使用している道具によって、結果(ストローク)に大きな差が生じる可能性が、きわめて高いと言えます。

タイガー・ウッズが、最初にマスターズに優勝した時に使用していたドライバーのヘッドは、メタルの200ccぐらいのものでした。今回のマスターズで,最終日の16番ホールで劇的なバーディーを奪った後、17番、18番ホールで大きくショットを曲げました。私の目には、随分道具に助けられたように映ります。

メジャートーナメントで開催コースが変わらないのは、マスターズだけです。だから、時間的な比較が可能で、たとえば15番ホールはグリーンの手前に大きな池があるロングホールですが、今から15年ぐらい前までは、選手が2オンを狙おうとすると、ギャラリーから拍手がおきました。何故かと言えば、セカンドショットで手にするのは、殆どの場合ウッドなので、当然リスクは高く、その勇気に拍手を送ったのでしょう。テレビを見ているわれわれも、仮に今から打とうとしている選手が優勝争いに関係なくても、そのスリルに満ちたショットにドキドキしたものです。現在のように、セカンドショットをショートアイアンで打つのでは、池に入れる可能性は非常に低く、昔ほど、トーナメントの中継に興奮を覚えなくなったのは、私だけではないでしょう。やはり、プロの試合は道具を規制した方が、絶対に興味あるものになると思います。

No,0034

04 12 2005

タイガーがマスターズで勝ちました

写真:スポーツ新聞紙面タイガー・ウッズがマスターズトーナメントで優勝して、彼はメジャートーナメントに勝てないという私の予想は、見事にはずれました。

弁解するつもりは、全くありませんが、私の感想を述べます。最終日の彼のプレーで、17番のティーシットは大きくプッシュアウトし、また、18番ホールのセカンドショットは、浅いラフから大きくプッシュして、グリーン右のバンカーに入りましたが、ぎりぎりはいったのではなく、バンカーの中央からやや右目にキャリーしたようでした。つまり、ピンの位置より25ヤードほど右にボールが落ちたのです。

私は、今まで数多くのメジャートーナメントを見てきて感じたことは、真のチャンピョンは大事な場面では、絶対にショットを曲げない、ということでした。今振り返っても、ウッズは本当によく勝ったと思います。

何故、17番、18番で大きくショットが曲がったのか、私なりの分析を述べます。昨年後半でないにしろ、打つ前の素振りで、意識的に右腕を、フォロースルーで伸ばしたような動作をしています。私は、ここに問題があると思っています。

人間の動きは、筋肉の収縮によって行われますが、この収縮(反射によるものは除く)は、脳からの指令によって行われていることは、皆さんご存知だと思いますが、脳から出ている指令のうち、約4分の3は、肘から指先の部分に対してであり、残りの4分の1で、足とかほかの部分を動かすそうです。ですから、手はよく動くのですが、足は手のように器用には動かないのです。また、緊張もそれに比例して現れるようで、手の部分に多くの緊張が現れて、大事なパッティングのときに、自然とグリップに力が入るのはそのためでしょう。

ウッズ選手が、フォロースルーで腕を伸ばそうとする動作は、まさに腕で行っているので、大事な場面になればなるほど、ミスショットが出る危険性が増すと思います。緊張下で動けない技術は、何にも役に立たないと考えています。練習場でボールを打っているような、リラックスした状態ではうまく打てるけど、緊張した時はうまく打てないという技術は、本当の技術ではないでしょう。私は、スウィングを考える時、緊張した状態で、反復性の高い動きをするためには、体のどこの部分を使うべきか、これが考えの出発点になっています。

彼はすばらしく強い精神力を持っているようだし、優勝経験も豊富で、また、アプローチやパッティング技術も卓越していますから、今回も優勝できたのでしょう。フォロースルーで腕を伸ばすような動作は、スウィング矯正のためものであればいいのですが、今のスウィングを続けると、以前のような、他を圧倒する強さは生まれないでしょう。

肝心なところでショットを曲げていると、競っているほかのプレーヤーがだんだんと余裕を持って、彼を見るようになります。「なめられて」しまっては、勝負師としては一流になれないのではないでしょうか。

No,0033