2005.6月の記事

06 30 2005

カーボンシャフト

写真:シャフト1,2年ほど前から、ちょっとしたシャフトブームのようです。「クラブの性能はシャフトで決まる」「クラブの中で一番大事なのはシャフトである」なんて会話を耳にすると、少し納得できない気持ちになります。

シャフトメーカーから沢山の種類のシャフトが発売されていますが、中には1本30,000円、40,000円もするシャフトがあります。値段の高いシャフトに変えた人が、「このシャフトはいいよ」と言われると、やはり高いお金を出さなくてはと、思ったりします。

新しいシャフトの感想を聞くと、「方向性がいい」「打ったときのフィーリングが良い」という答えは多いけど、「飛距離がかなり伸びた」ということを言った方には、殆ど会ったことがありません。

ボールの飛距離は、(1)ボールの初速 (2)打ち出し角度 (3)バックスピン量 で決まります。(2)と(3)は、クラブヘッドの大きさや、内部の重量配分によって変わってきますので、(1)について考えます。色々なシャフトを試した人ならわかると思いますが、同じ重量のシャフトでは、ヘッドスピードに大きな差は出ません。つまり、飛距離に大きな影響を与える、ボールの初速を上げるのは難しいでしょう。

ドライバーでナイスショットした時、インパクトでは何の抵抗もなく、軽い感じで振りぬけるはずですが、これはインパクトの時、ヘッドに何の振動もおきていないからです。野球のバットスウィングでも同じですが、バットのスウィートスポットにボールが当たらないとき、手がしびれるのは、バットが振動を起こしているのです。ゴルフで、スウィートスポットからはずれてボールが当たると、クラブフェースはターゲットでない方向に、一瞬向きます。例えば、トゥ側にボールが当たると、フェースは右打ちの場合、目標より右を向きます。当然、シャフトもねじれることになり、これがナイスショットと異なる手応えとして、両手に伝わってきます。

ナイスショットでは、ボールに当たる直前と直後でシャフトに大きな変形は生じませんので、シャフトがショットに与える影響は少ないと言えますが、ミスショットではシャフトの変形が生じますので、ねじれに対する抵抗の強いものや、復元の早いものは、ボールの曲がる度合いが少なくなったり、それに伴う飛距離ロスも少なくなると考えられます。すなわち、ミスショットではシャフトの性能の差が現れるといえるでしょう。

アマチュア的な言い方をすれば、ナイスショットをした時、大して飛距離が伸びないのであれば、1本30,000円や40,000円は高いのではないでしょうか?世界的に見ても、日本のシャフトはかなり高額です。

No,0041

06 19 2005

スウィングウェイト

写真:スウィングウェイトの計測風景「私のドライバーのスウィングウェイトは、D1だ」という会話を耳にしますが、スウィングウェイトの意味をご存じない人もいると思いますので、簡単に説明します。

写真は、スウィングウェイトの測定器ですが、Bの所にグリップエンドを置き、Aはバランスの支点となっていて、ヘッドの「効き具合」を調べます。その「効き具合」の範囲を、軽い順からA,B,C,D,Eと5つに分け、さらに、AからEをそれぞれ0から9に分けます。一番軽いのがA0で、一番おもいのがE9となり、C9より1つ重いのがD0となります。

このバランス計ですが、グリップエンドを置くBの所から、支点であるAまでの距離は14インチ(約35.5cm)となっていますが、なぜ14インチなのか、はっきりした根拠は知りません。少し前までは、12インチが主流でした。

今、14インチ計で測定した、3番アイアンから9番アイアンまでD0に合わせてセットを作ったとします。これを、12インチ計で測定すると、3番アイアンと9番アイアンは同じバランスになるでしょうか。答えは、9番アイアンの方が3番アイアンより重いバランスになります。

写真の、Aからクラブヘッドまでの距離は、12インチ計のほうが14インチ計より長くなります。Aからクラブヘッドまでの距離を、それぞれの番手で示すと、14インチ計では、3番のクラブの長さが38.5インチなので、38.5-14=24.5、9番のクラブの長さが35.5インチなので、35.5-14=21.5 となります。同様に、12インチ計の場合を計算すると、3番は 38.5-12=26.5、9番は 35.5-12=23.5となります。少し話が難しくなりますが、Aからクラブヘッドの長さの伸びた割合は、3番で26.5/24.5=1.081、9番で23.5/21.5=1.093 となり、3番では約8.1%、9番では約9.3%長くなっています。クラブヘッドの下向きの力の大きさは、Aからヘッドまでの長さと、クラブヘッドの重さを掛け合わせた積に関係しますので、9番アイアンの方が、相対的に長くなっている分、9番アイアンのヘッドを軽くするか、3番アイアンのヘッドを重くしないと、同じバランスは出ません。お分かりいただけたでしょうか。

私たちは、クラブヘッドの重さを両手で感じるのですが、私の場合は、グリップエンドから約7.5インチのところに右手の人差し指があります。私は、以前から支点であるAの位置を、グリップエンドから7インチか8インチの所にした方が、ゴルファーの感じる感覚に近づくのではないかと思っていました。

ドライバーのスウィングウェイトを測る場合でも、44インチと45インチでは違ってきます。私のクラブセットを測ると、アイアンは3番で38.5インチのスチールで、バランスはD1.5、ドライバーは長さ45インチで、やや重めのカーボンシャフトですが、スウィングウェイトはD4です。自分の感じるままにクラブを作ったら、こんな感じになりました。皆さんも、ご自分の感覚を優先された方がよいのではないでしょうか。

No,0040

06 09 2005

シンプルに考える

写真:ダブルチャンスの商品の写真先月は、スライダーのモニターに448名の方がご応募していただき、本当にありがとうございました。これからも、スライダーのモニターを継続して募集する予定でいますので、またご応募してください。今回、ダブルチャンスの商品として、写真のナイキ製シューズケース(布製です)を5名様にプレゼントいたしますので、奮ってご応募ください。

今回のテーマ***

昔、女子プロの森口祐子さんから聞いたのですが、彼女は初めてクラブを握った日から起算して、プロのテストに受かるまでに要した期間は、たったの1年1ヶ月だそうです。高校3年生の9月に生まれて初めてクラブを握り、翌年の10月のプロテストに合格したのです。その当時のプロテストは、合格ラインのスコアが設定してあり、そのスコア以下でプレーすれば合格という形式で、森口さんが受験した時は、コンディションが悪くて、合格者は森口さんただ1人というから、本当に驚きです。

私は仕事柄、男子、女子のプロと話す機会が多いのですが、彼らの中には、ゴルフを始めて1年ぐらいで、パープレーぐらいのスコアをマークする人は結構います。だが、彼らの中のいくらかは(おそらく半数以上)、トーナメントに出場する資格を持っておらず、たまに出場するマイナーな試合で、75,76ぐらいのスコアでプレーしています(ここが大事なところです)。

初めてボールを打った日から1年で、どれくらいの技術が身に付くものでしょうか。身に付くものは、芝生の上のボールを打つ感覚、砂の上のボールを打つ感覚、アプローチやパッティングの距離感などの「感覚」であって、ロブショットなどの細かい技術の習得までは、時間が足らないと思います。しかし、ロフト通りの弾道で、小細工をせずにボールを打つことが出来れば、パープレーも可能だということです。先ほど述べた、現在トーナメントに出場できないプロと技術面の話をすると、非常に細かいことを言います。

テークバックの通る道であるとか、コックをリリースするタイミングとか、雑誌によく出てくる話です。厳しい言い方になりますが、彼らはデビューした時よりもスコアが悪くなっているのに、そこに目が行かないのです。スコアが悪くなっているということは、今おこなっている方法が間違っているということではないでしょうか。

トップオブスウィングのとき、右腕の形は「出前持ち」のような格好になる、という話をしますが、もし、「出前持ち」の形にしようとすれば、この時点でボールはうまく打てなくなります。トップオブスウィングでの右腕の形に意識が行ってしまい、ボールを打つという大事な「感覚」が希薄になるのです。スウィングのことで、頭がいっぱいになると、長年ゴルフをやっていても、空振りする人もいます。

ゴルフ畑に登場している水島さんは、半年くらいで飛距離は20ヤードほど伸び、スコアもかなりよくなりました。また、私が以前教えていた人は、ゴルフを始めて5ヶ月ぐらいで初ラウンドし(私が一緒にプレーしました)、その時のスコアが108でした。2回目のラウンドで99、そして80台のスコアを出すのに10ラウンドはかかりませんでした。その方は、週に2回ほど仕事帰りに、私のところの練習場でボールを打つ、全く普通の人です。その人にアドバイスしたのは、クラブの動きなど気にしないで、全身の筋肉を軟らかくしてボールを打つ、だけです。今、調子の悪い方にやってもらいたい練習は、グリップをゆるく握り、何にも考えないで、「いい加減」にボールを打ってみてください。本当にいい加減にボールが打てれば、芯に当たるはずです。一度試してみてください。

No,0039