2005.9月の記事

09 29 2005

右膝

写真:ゴルフスイング(雑誌から)最近、バックスウィングで右膝を止めて、スウィングしようとする人を多く見かけます(以下、右打ち、右投げを前提)。アドレスでの右膝の位置を、全く動かさないようにバックスウィングするのですが、このスウィングの特徴として、フィニッシュで後ろ足に体重が残る(正確には戻る)、ショットがすくい気味になり、たとえばピッチングウェッジやアプローチウェッジでショットした時、打った瞬間の自分の感じは良いのですが、ボールの行方を見ると、思ったよりショートする、などです。

トップオブスウィングからダウンスウィングでの一番重要な動きは、右サイドから左サイドへの体重移動ですが、この体重移動で、大きなパワーを生んでいます。大きな体重移動で、パワーを出す動作の1つに、野球のピッチングフォームがあります。ピッチャーが、左足を高く上げた時、右足のほぼ真上に右腰が位置していますが、このポジションが、一番地面を強く蹴れる形なのです。

地面を蹴ると、蹴った力と同じだけの力が、自分の身体の方へはね返ってきます。これを地面反力といいますが、これが人間のパワーの源で、つるつるすべる氷の上で、ゴルフスウィングやボールを投げる動作が出来ないことからも理解できます。

ここで、皆さんに実験をしてもらいたいのですが、写真の不動プロのように、右足のほぼ真上に右膝が位置するポジションから蹴るのと、アドレスでの右膝の位置は、右足より少し内側にあるのが一般的ですが、右膝が右足よりやや内にあるポジションから蹴るのと、どちらが強く地面を蹴れるでしょうか。写真の不動プロのようなポジションから蹴った方が、強く蹴れたはずです。

彼女は、女子プロ界きってのショットメーカです。ショットメーカーとは、わかりやすく表現すれば、ナイスショットを打つ確率の一番高い人のことを言いますが、ショットメーカーとは、言い方を変えれば、再現性の高いスウィングの持ち主といえます。

不動プロと同じようなフットワークをするプロに、メジャー18勝のジャック・ニクラウスがいますが、彼もショットメーカーといわれていました。右膝が動くと、スウィングの軸がぶれる、そしてショットがぶれる、と考えている人は多いと思いますが、ミスショットの大半は、上半身に力が入った「手打ち」が原因です。右膝を止めることによって、下半身で生まれるパワーの不足分を、もし上半身で補おうとしたら、いい結果は期待できないように思えます。

No,0050

09 21 2005

プロの言葉

写真:練習風景我々アマチュアからみると、プロと名のつく人は、雲の上の存在です。プロゴルファー、プロ野球選手は、当然ながらアマチュアとは比べものにならないプレーをします。ところが、「出来ることと、知っていることは、全く別のこと」ということ知っておかなければなりません。

野球中継を観ていると、ピッチャーの腕の振りについて解説しているのを、時どき耳にしますが、「腕をしっかりと振らなくてはいけない」というのは間違いです。腕だけの重さは3,4Kgぐらいで、これを思いっきり振っても大きなパワーは生まれず、速いボールを投げるためには、ステップ幅を広くして、軸足から前足に体重をすばやく動かす時に、大きなパワーが生まれます。ジャイアンツの工藤投手ののピッチングフォームを見るとわかりますが、彼がボールを放したあとの腕の振りは、決して大きくありません。42歳であの活躍は、本当にすばらしいですね。

トーナメントプロを教えるプロが言っていたそうですが、ピッチングウェッジでショットする場合、バックスウィングが10時の大きさで何ヤード、11時の大きさで何ヤードの飛距離になる、というのもおかしな話です。バックスウィングは、何故行うかといえば、ボールを打つ動作(フォワードスウィング)の「反動」なのです。

では、何故人は「反動」という動作をとるのでしょうか?筋肉には、バネの要素というものがあり、筋肉をすばやく伸ばすと、筋肉はすぐに縮もうとする性質があり、腹筋運動をする場合、上体が床についたらすぐに起き上がると比較的楽なのに、上半身が床についたとき、完全に動きを止めて、もう一度起き上がろうとすると、結構しんどいはずです。この腹筋運動からわかるように、筋肉のバネの力は結構大きなもので、人は何らかの作業を行う時、より大きなパワーを出すために、これから使おうとする筋肉をすばやく伸ばして、筋肉の縮む力と、筋肉自体の力をあわせた大きな出力を得ようとするのです。バックスウィングをどのくらい上げようかなんて考えていると、本来の「反動」としての動きが出来ず、正確にボールに当たらないだけではなく、パワーの低下にもつながりすます。

写真は、フォロースルーで、クラブのシャフトが、背中に対して直角の位置に振りぬかれていることを表すために撮りました。遠心力は、背骨に対してほぼ直角の方向に働きますから、両腕の力を抜いてスウィングすれば、この位置にクラブが勝手にむかうはずです。スウィングは、実にシンプルなものだと、私は考えております。プロが言った言葉だからといって、鵜呑みにすると、スウィングや身体を壊すことさえあるかもしれません。

No,0049

09 09 2005

何故上達しないのか

写真:ゴルフボール「何故上手くならないのだろう」という言葉は、ゴルファー仲間の間で、よく交わされる言葉です。仮に、自分のハンディキャップが22として、考えてみたらもう5年も同じハンディキャップでプレーしている、やはり自分はゴルフの才能がないのかなぁ、なんて考えたりしてませんか?

上手くならない要因として、2つ考えられます。1つは、正しいボールの打ち方を知らない、2つ目は、練習時の集中力の不足で、今回はこれについて考えます。

話は少しそれますが、南米大陸にコロンビアという国があり、そこに住んでいた人から聞いた話では、身代金目的の誘拐は日常茶飯事だそうで、特に日本人はよく狙われたそうです。ですから、会社に行く時間と、会社までのルートを毎日変えないと、誘拐のターゲットになってしまうので、通勤だけでも大きなストレスがかかると話してみえました。

私たちは、慣れた事をする場合は、気楽な気持ちで行えますから、ストレスはさほど感じないでしょうが、知らないことや、いつもと違ったことをする場合は、ストレスを感じて、それをやり終わったあとなど、精神的な疲れを感じるのではないでしょうか。

話をゴルフに戻しましょう。誰もが、もっと上手くなりたいと思って練習場に行きます。次のコンペでは、良い成績を出したいと考えてボ-ルを打ち始めますが、練習を始めたとたんに、今度のコンペでよい成績を出そうという気持ちを忘れてしまって、いつもと同じ気持ちで、ストレスを感じないようにボールを打っていませんか?

長い間、私はプロのトーナメントを回っていましたが、例えばあるプロが2,3ストローク足らずに予選が通過できない、そして、そのプロの成績を1年間通してみていると、大体同じようなストロークで予選カットになっています。それが、そのプロの実力といえば、まさにその通りなのですが、そのプロの練習を見ていると、仲間のプロと喋りながら楽しそうにボールを打っている、とてもストレスを感じているようには見えません。しかし、不動裕理プロは、怖い顔をして練習しています。彼女は、練習が終われば、肉体的な疲れだけではなく、精神的にも疲れを感じているはずです(ただ、彼女にしてみれば、当たり前の疲れかもしれません)。ストレスを感じないで、楽しくボールを打っているプロは、昨日の自分を超えることは出来ないので、実力はそのままでしょう。

私たちアマチュアは、仕事から解放されたあとでの練習ですから、ストレスを感じないようにするのは、無理のないことだと思います。ただし、上達するためには、昨日の自分を越えなくてはなりませんから、ストレスを感じないような方法で、効率の良い動きを身に付ける練習方法を、色々考えてきましたし、これからも、もっと良い練習方法を考え出していくつもりです。

No,0048