2006.1月の記事

01 31 2006

パッティング技術***後編

写真:パター写真は、2本持っているパターのうちの1本で、ヘッド材質は鉄、製法は真っ赤になった鉄を、ハンマーで何度もたたいて形を整え、機械で削って仕上げます。

この数年、フェース面に樹脂などを入れたパターが流行していますが、打感が軽いような感じで、どうしても好きになれず、「重み」のある打感は、鉄で出来ている物がいいように感じられます。また、写真のようなL型のパターで、ヒールアンドトゥウェートのパターは、世界中見渡してもほとんど市販されておらず、どうしても欲しかったので、手作りで作った次第です。私にとって、打感は最高です。

パッティングの打ち方で重要だとしていることは、肘から下を極力使わないことと考えています。何故かといえば、人間の身体は筋肉の収縮で動きますが、筋肉を動かす大脳からの指令のうち、約4分の3は肘から指先に集まっているそうです。緊張もそれに比例してあらわれるそうで、バーディーパットなど狙う時、思わずパターグリップを強く握ってしますのは、そのあらわれでしょう。

スポーツの技術で大事なことは、緊張下で如何に思い通りに動けるか、これだと思います。パッティングの練習グリーンで、何気なく打つパットは、ヘッドもスムースに動きますが、大事なパッティングを前にして、出来る限りリラックスした時と同じようなストロークが出来るか、その技術を身につけることが、パッティングの上達の秘訣でしょう。

タイガー・ウッズは、勝負どころで短いパットをよく決めますが、彼の集中力の高さが、大事なショートパットを決める要因だという解説をよく聞きます。それは正しいと思いますが、果たしてそれだけでしょうか。彼のパッティングスタイルは、肩か背中を回転させ、その動きで両腕とパターヘッドを動かしているようにみえます。すなわち、両腕を能動的に使ってパッティングしているのではなく、肩か背中の回転によって、両腕が受動的に動かされてパッティングしているように見えます。いくらタイガーといえども、トーナメントの終盤で、大事なパットを打つ時は、絶対にどきどきしているはずです。彼が大事なショートパットをビシビシ決めるのは、高い集中力に加えて、肘から指先の部分を使っていないパッティングフォームに鍵があると私は思っています。

私も、ゴルフ畑に登場している佐藤丹美も、両足を使ってパッティングしています。ショートアプローチをするときに膝を使いますが、それと同じような感じでパッティングすると、ストロークの初めがスムースになり、また、両腕を使わなくてもパターヘッドが簡単に動いてくれます。よかったら一度試してみたらどうですか。

No,0061

01 20 2006

パッティング技術

写真:練習風景前回は、クラブフェースの芯でボールを打つ重要性を述べましたが、どのようなうち方(ストローク)がよいのか考えて見ましょう。クラブヘッドの動きで見ると、考え方は大まかに2通りあります。

1つは、クラブヘッドは目標に対してストレートの動くとする考え方と、もう1つは、クラブヘッドが円を描く、すなわちインサイドインの軌道を描く、という考え方です。

クラブヘッドをストレートにうごかす、これは、レールの上を物体が動くように、物体そのものがストレートに動く(移動する)のが1番単純な動きです。パッティングするプレーヤー自身の重心を、バックスウィングでは後方に身体を動かし(身体を揺らす)、フォワードスウィングでは目標の方に動かす、これだとクラブヘッドは比較的ストレートに動かしやすいと思いますが、ボールを正確に打ちづらいという欠点があります。

ストレートのにクラブヘッドを動かすもう1つの方法として考えられるものは、写真の佐藤君のスタイルです。背中が地面に対して平行になるように、腰を直角に曲げ、両肩をボールの真上にセットします。そして、使用するパターはライ角が90度、つまりパターのシャフトが地面に対して垂直になったものです。このアドレスから、首を中心に両肩を背骨に対して直角に動かせば、パターのヘッドは、ボールの真上に中心がある振り子のような動きをして、パターヘッドは目標に対してストレートな動きをします。しかし、この姿勢で練習するのは大変でしょうし、腰の悪い人にとってはとてもつらいでしょう。

ゴルフスウィングにとって大事なことは、「再現性の高い動き」と考えています。クラブフェースの同じ位置に、そしてボールに対して同じ角度でインパクトできることが「再現性の高い動き」です。

背骨の角度が、写真のように地面に並行ではなく、地面に対して50度から60度ぐらいの傾斜になっている通常のアドレスで、身体の重心位置を変えないで、ヘッドを目標に対してストレートに動かすには、バックスウィングでは、やや腕を伸ばし気味にして、そしてインパクトでは元の長さに戻し、また、フォロースルーでは両腕を伸ばすようにしないと、ストレートにヘッドが動かないはずです。

腕の長さを変えてストロークする方が、腕の長さを変えないでインサイドインでストロークする方法より、「再現性が低い動き」と私は考えています。

No,0060

01 07 2006

イップス***その3

写真:パターあけましておめでとうございます。本年もよろしくお願い申し上げます。

写真は、私の父親が長く使っていたパターです。オヤジは、日本グランドシニアに1回優勝し、中部のシニアの試合には、数多く優勝しています。ショットも正確だったのですが、なんと言ってもパッティングが上手かったと思います。一緒に競技に出ていた人に聞いても、パッティングの上手さに舌を巻いていたようですが、調子のよいときは、2mぐらいのパッティングを、かなりの確率できめていたように記憶しています。これは、競争相手からすると、殆ど短いパットははずさない、という印象を持つのではないでしょうか。

パッティングのときパターを使用するのですが、この1本の道具で、数センチから30m以上の距離を打ち分けなければなしません。ほかのクラブは、番手を変えればある程度距離を打ち分けることができますが、パッティングは自分ですべての距離をコントロールしなくてはいけません。この点が、パッティングですごく重要なことだと考えています。

パッティングの距離感は、どうやって作られるのか色々考えましたが、それは「感覚」しかないのではないかという結論にたどり着きました。それは、近くにあるゴミ箱に、丸めた紙くずをほかる場合、その距離感は、感覚しかないはずです。決してバックスウィングの大きさで距離をきめているのではありません。また、人がパッティングするのを見ていると、3mを打つ時の倍の大きさのバックスウィングで、6mのパッティングをしていないことに気づきました。特にショートパットは顕著で、カップまで30cmのパットと1mのパットでは、バックスウィングの大きさは、殆ど変わらないように見えます。

例えば、自分のボールの位置からカップの手前までアップヒルで、そして下りにかかったらすぐにカップがあるような状況では、本当に微妙な距離感が要求される、難しいパッティングです。このパッティングを成功させるためには、パターフェースの芯でボールをストローク出来ることが、1つの条件と考えています。何故かといえば、ゴルファーがパッティングして、ボールが転がる距離のイメージは、その人がジャストミートした距離を基準にイメージすると考えています。もし、少し当たりの悪いパッティングを基準にイメージした場合、ジャストミートしてしまったら、ボールはカップを大きくオーバーする結果になります。

平成14年まで練習場を経営していましたが、パッティンググリーンがあり、お客さんたちは、よく小銭をかけてパットの勝負をしていました。私がイップスで悩んでいる時、オヤジがお客さんとパットの勝負するのを何となく見ていて(いつもお客さんから、小銭を巻き上げていました)、インパクトの音が他の人と違って、いつも芯で打っていることに気がつきました。

前にも書きましたように、曲がるラインのパッティングでは、強すぎるとあまり曲がらずカップを過ぎてしまうし、弱ければカップの手前で曲がってしまいます。たとえ狙った位置が正しくても、イメージした距離が打てなければ、カップにボールは沈みません。

狙った距離が打てるパッティング技術、すなわち常に芯で打てることが、絶対に不可欠だと考えています。

No,0059