2006.4月の記事

04 30 2006

打感

写真:パターを手にした佐藤丹美選手ゴルファーがよく口にする言葉です。「このドライバーは打感がいい」なんていいますが、ゴルフアーにとって打感は大事なようです。

アイアンヘッドの材質で、代表的なものは軟鉄とステンレスですが、私なんかは鈍感な方なので、軟鉄で作ったウェッジと、ステンレスで作ったウェッジを打ち比べても、「打感」もかわらないし、ショットの結果もかわらない気がします。プロゴルファーのほぼ全員が軟鉄のウェッジを使用していますが、選ぶ理由として、ライ角、ロフト角の微調整もありますが、やはり「打感」が良いからでしょう。

それでは、何故「打感」を大事にするのか、また、「打感」から得られる情報とは何かを考えてみたいと思います。「打感」から得られるものは、ショットの成否と、距離感だと思います。ショットの成否は、アイアンヘッドの素材におおきく影響されることはありませんので、距離感をつかむために、ウェッジでは軟鉄という素材にこだわるのでしょう。「少し強く入ってしまった」とか、「チョットこすってしまったかな」という感じは、ヘッドからシャフトを通じて手に伝わり、次のショットの反省になるのでしょう。

私にとって、一番「打感」を大事にするクラブは、なんと言ってもパターです。1本のクラブで、わずか数センチから30メートル以上まで、すべてカバーしなければならないので、パッティングストロークの良し悪しの判断は、「打感」のみです。この数年、フェースインサートに樹脂などを入れたパターが流行していますが、私の感触では、樹脂のフェースでは、芯に当たったときの「打感」が硬く、芯を外れた時の「打感」に少し近い感じがして、どうにも馴染めず、1度も樹脂入りパターは使ったことがありません。

写真は、数週間前にパターを代えた佐藤丹美です。彼女のパターは、鉄を真っ赤にしてたたき、それで徐々に形を整え、最後に研磨して仕上げたもので、製作には約1ヵ月半かかります。私もこのパターを使っていますが、彼女も「打感」の良さが気に入っているようです。

No,0069

04 23 2006

スピンのかかるサンドウェッジ

写真:AMATEURISMの新ウェッジゴルフ中継を見ていると、プロの打ったアイアンショットが、ピンをオーバーしたところに落下して、バックスピンでピンの方に戻ってくるシーンを見かけます。我々アマチュアからすれば、一度はあんなショットが打ってみたいと、あこがれるようなショットです。

写真は、もうすぐラインナップに登場する、よくスピンのかかるサンドウェッジです。なぜスピンがよくかかるかと言えば、写真でもわかると思いますが、ソールの少し上が削ってあって、その重量をヘッドの上の部分に移して、スウィートスポットが高くしてあり、縦のギア効果でスピンを多くします。そして、フェースにある溝(スコアライン)は、まったく普通のものです。

ハイスピードで、バンカーショットのインパクトを見た方はわかると思いますが、フェースの上をボールが回転しながら登っていくように見えます。クラブにはロフトがあるため、インパクトの瞬間にボールがフェース面を少し上のほうに転がる、それがバックスピンの正体です。また、ゴルフクラブの特性として、スウィートスポットの上で打つと、バックスピンが少なくなり、逆にスウィートスポットの下で打つと、バックスピンは多くなる、これが縦のギア効果と呼ばれるものです。

ウェッジの宣伝のコピーを見ていると、フェース面の溝の角が鋭利になっており、それがボールの表面を削って強烈なバックスピンをかける、なんてものがありますが、ボールを打った後、フェースの溝にボールの表面の白いものがついていることは、フェースの上をボールが滑っていることを意味します。りんごの皮をむくとき、ナイフが皮をむきながら、リンゴの表面を移動していきます。逆に、リンゴの表面が硬いか、ナイフの切れ味が悪いために、うまく切れずに、思わず手からりんごが落ちることがありますが、あれはりんごに回転が生じて、手から滑り落ちるのです。

今から15年ほど前に、フェース面の溝を彫刻して、今で言う角溝にしたクラブをつくりましたが、浅いラフからのショットはよくボールが止まるのですが、フェァウェイから50ヤード、60ヤードのサンドウェッジのショットは、あまりスピンがかかっていませんでした。もちろん、ショットの後には、フェース面にボールの削れた白いものがついていました。いろいろ考えて、以上のことがわかったのですが、スピンがあまりかからなくて、しかもボールが早く悪くなってしまうなんて、これはダメだと思い、それ以後は普通の溝のクラブしか作っておりません。

このサンドウェッジを、モニタープレゼントしますのでお楽しみに待っていてください。

No,0068

04 09 2006

アマチュアリズム

写真:AMATEURISMのゴルフバック写真は、弊社のブランドであるアマチュアリズムのマークです。マークの中央に、金色の横棒のようなものがありますが、これは「風」を意味しており、ゴルフ界に新しい風を送りたいとの思いで、このようなマークになりました。ホームページも新しくなり、私がブランド名にアマチュアリズムを選んだいきさつを語りたいと思います。

「アマチュアリズム」という言葉の意味の中に、「アマチュア精神」というものがあります。ジャック・ニクラウスがよく口にした言葉ですが、最高の技術を追い求めようとする姿勢は、お金や名誉ではなく、「アマチュアリズム」がなくては不可能なんだ、という文章を、かなり昔に読んだことがあり、その時からこの言葉に惹かれました。

今年の冬季オリンピックのフィギュアスケートで、金メダルを取った荒川静香選手の姿勢が、まさに「アマチュアリズム」だったと思います。得点に加算されない「イナバウァ」を、フリーの演技に入れたその姿勢が「アマチュアリズム」なのではないでしょうか。

荒川選手は金メダルを取ったので何の議論も起こっていませんが、もし僅差で銀メダルに終わっていたら、マスコミは大騒ぎをして、得点にならない「イナバウァ」を演技に入れた是非について、連日報道したことでしょう。4年に1回の大舞台で、得点にならない演技をすることは、勝負に対して甘さがある、なんて声が聞こえてきそうです。

後日、彼女がインタビューで、勝負よりも最高の演技がしたかった、と言っていましたが、その高い精神が観客を魅了し、審査員に高得点を出させたのでしょう。

これが「アマチュアリズム」という言葉に対する私の理解です。本当にまだ未熟ですが、より良い物を作る、そして本物は何であるかを追求する、これが我々のモットーです。今後とも、いろんなご意見お待ちしております。

No,0067