2008.6月の記事

06 25 2008

ゴルフメーカー  ピンゴルフ

dscn0414.JPG「ピンパター」という言葉は、多くのゴルファーが口にするでしょう。また、「このパターはピン型だね」という会話も、よく耳にするのではないでしょうか。「ピン型」というのは、写真のパターのようにヒール側とトゥ側にウェートを集め、ヘッドの中央部分のウェートを極端に減らした形で、こうすることによって、ヒールとトゥ方向の慣性モーメントが大きくなり、フェースがぶれにくくなるのが特徴です。 このモデルのパターは、今から40年以上も前に発売され、その時のモデルと殆ど同じ形のパターが、色々なゴルフメーカーから今も発売されているので、本当に画期的なモデルと言えます。

私のショップもかなり前からピンゴルフの製品を扱っていますが、特に最近不思議に思うことの1つに、ピンゴルフの製品の価格です。他のゴルフメーカーと比較すると、随分安いのです。

ピンゴルフで1番売れているドライバーは「G10」というモデルで、メーカー希望小売価格は48,000円(消費税込み50,400円)です。他社に比べるとかなり安いのですが、ヘッドを見てもシャフトを見ても、しっかりしたものを使って作っているなと感じます。写真にある帽子(アメリカのゴルフ中継を見てると、多くのプロがかぶっています)は、メーカー希望小売価格は2,500円(消費税込み2,625円)で、他社よりも2割前後安くなっています。

少し前、ピンゴルフの本社の人が私のショップに来た時、いろんな話をしているうちにその理由が分かりました。ピンのクラブを使っているトーナメントプロの名前を少し挙げてみましょう。ロレーナ・オチョア選手(メキシコ)は、女子プロNo.1であることは説明するまでもありませんが、彼女の強さは桁外れです。2位に大差をつけて優勝する、それが頻繁にあるから驚きです。アンヘル・カブレラ(アルゼンチン)は、昨年度の全米オープンチャンピョンです。バッバ・ワトソン(アメリカ)は、レフティーの強烈なロングヒッターです。

彼らは「ピンゴルフ」のクラブを使っているのですが、彼らは契約金をもらっていないのです。「ピンゴルフ」のクラブを使いたいから、使っているでたけのことなのです。「ピンゴルフ」は、多額の契約金をプロに支払って、クラブを使ってもらうという方法はとっていません。製品に絶対の自信を持っているから出来るのでしょう。また、よいものを適正な価格で消費者に提供する、その信念を貫いているといえます。「偽装」のニュースが多く流れる世の中で、心から信頼できる製品といえるでしょう。

06 10 2008

品質の低下

dscn0359.JPG最近のニュースで、老舗の高級料亭がお客の食べ残したものを次のお客さんに出していたことが発覚して、テレビなんかを賑わしていますが、よくそんなことが出来るなと、正直思います。 仕事に対する「責任」や「誇り」などを失ってしまったのでしょうか?

写真は、シャフト交換をするためにヘッドに熱を加えて、シャフトを抜いた時にヘッドの塗装部分が焦げてしまった、そのヘッドの写真ですが、マークの少し右の部分が茶色くなっているのがわかるかもしれません。長い間、クラブの修理をしていますので、どれくらいの時間熱を加えたら焦げるのか、体内時計らしきものでわかっているつもりですが、自分が感じているよりも短い時間で焦げてしまったので、ビックリしてしまいました。

この事を自動車の塗装の仕事をしている人に相談したら、ヘッドが十分乾燥する前にクリア(透明な塗料)を塗ったか、または塗料自体が少し粗悪なものを使っているのではないか、と答えが返ってきました。このときは、同じメーカーの同じモデルのヘッドのシャフトを抜いていて、両方のヘッドが焦げてしまったので、偶然とは考えにくいでしょう。また、この焦げたヘッドはお客様のものですから、私の負担で塗り替えをしますので、ヘッドを焦がしてばかりいてはどんどん赤字になってしまうので、それ相当に注意をして作業をしてるつもりです。

このあと、当然焦げたヘッドを塗り替えに出しましたが、塗り替えをしている業者の人から、ビックリする写真を見せてもらいました。それは、ヘッドのクラウン部分(ヘッドの上のところ、写真で見えている部分)の約3分の2に、パテ(窓ガラスを固定する粘土のような接合材)が埋めてありました。パテを埋める時は、小さなピンホールがある時や、金属の表面に凹凸がある場合などに、塗装したあと、きれいな曲面になるように、パテを使って形を整えます。パテは、時間の経過とともに、塗装がはげたりする原因にもなるので、あまり使わない方がいいと、前述の自動車塗装の人は言っていましたし、ヘッドを塗り替えた業者の人も、しっかりしたメーカーのクラブで、こんなにパテの入ったもの初めて見たといっていました。

このクラブが9800円で売られている商品なら、何にも驚きません。それが、数万円というより参考上代が10万円に近い商品ですから、疑問を感じずにはいられません。私の今の気持ちは、多くのお客様にこのクラブを買っていただいたのですが、値段と物の価値が匹敵しない商品を売ってしまったという、スッキリしない感じです。